短編小説
六月のオーヴァチュア
2008年04月25日 0:50
chapt.1
カーテンを開けるとそこに広がるのはでこぼこした曇り空が遠くまで。
体を起こした頃に感じた空気の重たさで気がついたから覚悟は出来ていたけど、やっぱり空が暗い朝はがっかりしてしまう。
今日は木曜日。今日と明日、二日間頑張れば週末がやってくる。今週は予定は無いけど、やらなければいけない事だらけの平日よりも落ち着いていられる。あわただしさが苦手なわたしにはほっとできる時間だ。
2階の窓から見える東京にしては静かな海の近い住宅地の景色をしばらく眺めていると、目の前に古い映画に見えるフィルムの傷のような細い線が走るのが見えた。
あれ?って思って、わたしは顔を右に左に向けて空気の匂いを嗅ぐ。
湿った土の匂い。空気がやけに柔らかい。
今度は恐る恐る外へ手を伸ばして見た。
ぴたっ。ぴたっ。
手のひらのあちこちが冷たくなる。
雨だ。
雨が降ってきたんだ。
わたしはため息と共に肩を落とすと、去年の夏に付けた網戸を閉めてベッドの向かい側にある少しくすんだ赤の二人がけソファーによろめきながら座り込んだ。
今は7時22分。どういうわけか、朝にふと時計を見るのはたいていこの時間だ。
今日は二講から。始まるのは10時45分。まだまだ時間がある。
わたしはキッチンに置かれた小さな電気ケトルに水を注いでお湯を沸かし始める。スイッチを入れると4月に買ったツバメの絵の入ったカップと丸々とした愛らしいティープレス、小さなお茶の缶を戸棚から取り出す。
缶を降るとカサカサ乾いた音が鳴る。あと、二回分くらいかな。
3月ごろに偶然見つけた桜の花びら入りの紅茶。すごく好きなお茶なんだけど、春先しか売ってないからこれの飲めば多分、一年はお預けになる。大事に飲まないと。
缶を開けて中からそっと出てくる今のとなっては季節外れの桜の匂いを嗅いていると、カチンという音が聞こえた。電気ケトルがお湯を沸かし終えた合図だ。
お湯を注いでティープレスを暖めて、その後はティースプーンで茶葉を入れてもう一度お湯を注ぐ。
薄紅色に染められた砂の入った砂時計を戸棚から取り出すと、さかさまにしてティープレスの隣に置いた。
ここから3分の待ち時間がゆったりしてて好き。ゆっくりと踊るように舞い上がる茶葉と、聞こえもしないのに頭の中でかわいい音を立てる砂が落ちる様子を見てるとなんだか気持ちが太陽を浴びた洗濯物のタオルみたいにふんわりしてくる。
今日一日、こんなゆったりならいいのに。
雨の日は体がだるいから若い勢いたっぷりな大学の雰囲気からは離れていたい。
どうしようかな?
決めた! 今日は全講自主休講!
だけど、うちですごすのはもったいないかな。
本屋めぐりしてこようかな。あと、明日で茶葉がなくなるから、明後日からの分も買いに。
雨はやっぱりだるいけど、買ったばかりの傘のデビューができる。
それなら、「しなきゃいけないこと」よりも「したいこと」で出かける事のほうがいい。
うっすらとティープレスの表面に変にゆがんで映るわたしの顔は口元が緩んで、砂時計が刻む短い時間に生まれた計画の楽しさに溢れているのがはっきりとしていた。
chapt.2
いつも買い物に来る街で電車を降りると、あわてて改札を出た。
運がよければ乗り換え無しで来られるおしゃれな街。わたしのお気に入りの街。
わたしはエスカレータを探すのが少し大変な駅ビルの中を抜けて駅前のバス乗り場に出るとわたしはあたりを見渡す。
日曜日に来るとすごく混んでて何度も人にぶつかりそうになるけど、今日はいつもよりも人も少なくて歩きやすそう。それでも、にぎやかではあるけど。
誰かしらわたしを知ってて、いろんな人の勢いが迫ってくる大学のキャンパスと違ってここは知らない人だらけだろうしずっとマイペースに行動できるから雨の体のだるさにあわせて歩調を決められる。だから、リラックスして時間をすごせそう。
わたしは傘を開いて進むべき方向を見定めた。まずは雑貨屋や小さなレストランが並ぶ方向へ。傘に出番をあげたいからできるだけアーケードは通らずに。
歩き出すと、周りに人が居ない事を確認して私はまっすぐ上を見た。
赤にひつじ雲のような白い模様がうっすらと入ったかわいい傘。この間、この街の雑貨屋で見つけた時にバイト代が入る前だっていうのに衝動買いしちゃったんだ。
傘を持ってなかったわけじゃないけど、この傘なら雨の日も楽しい気持ちになれるって気がしたから。
さぁ、歩こう! 体のだるさを和らげようと湿った空気を思いっきり吸い込む。
歩き出したわたしは心の中でスキップをしてる。本当にスキップをしたら変だから心の中だけ。
今は朝の10時半ごろ。街が動き出して間もない時間で、いくつかの店は閉まったまま。レストランやカフェの中にはランチの時間に始まるものもあるから、そういう店の並んでるあたりはなんだか静か。
どこかのカフェが開くまではしばらく散歩しよう。わたしが狙いを定めたカフェは11時半に開くからあと一時間はこの傘とふたりきりで。
わたしは周りに誰も居ない事を確かめると片手を広げてくるっと回ってみた。
誰かに見られたらすごくハズカシイ。
だけど、多分今のちょっとした出来事は確実にわたしだけの秘密になったみたい。よかった。
どうしてこんなことをしようと思ったかというと、理由は入ろうと思ったカフェの内装。
鮮やかだけど少しだけ控えめなピンクの壁。だいぶ前に深夜番組で観た古いフランス映画に出てきた傘の店にそっくり。
だから、あの映画の傘をもった人たちが踊るシーンを真似したくなった。
あの映画は悲しい恋物語。愛していたのにどうしようもなくすれ違ってしまって離れ離れになってしまうわたしくらいの年の女の子と男の子の話。
さて、わたしはどうなんだろう? わたしの立ち位置はあの映画なら物語が始まるよりもずっと前。
もう少し近づけたら、胸の奥で暴れそうなこの気持ちの行き先がわたしの望むものならいいのに。
携帯をふと手に取ると電話帳の画面を呼び出す。だけど、探していた名前を見つけるとすぐに待ち受け画面に戻した。
正直に言うと、今日わたしが大学をサボってここに居るのは、わたしと同じはずの大学生たちの若いエネルギーだけじゃない。
起こっても居ない不幸が怖いわたしに雨の日の体のだるさは毒になってしまいそうだから、せめて離れて少しの間だけ忘れてみたかった。
さぁ、まだまだカフェのオープンまで時間がある。携帯と入れ替わりで白いシンプルなデザインのヘッドフォンとお気に入りのプレーヤーを取り出す。
今日のBGMを手早く選ぶとわたしは無計画な小旅行を始めた。
踊るように水溜りを飛び越えたりよけたりして歩きながらわたしは軽やかなステップで街を進む。まずはこの時間を楽しむ事。
せっかくの全講自主休講を無駄にしたらもったいない。
chapt.3
雨足は少しずつ激しくなる。
霧吹きからシャワーへ、シャワーから滝へ。今日の天気は雨の比喩のフルコースだ。
数区画だけのささいな小旅行は踊る雫の中をどんどん進んでいく。講義からの、少しマンネリ化した環境からの開放感からか、いつもならうっとうしく思える降り注ぐ雨もどこか楽しい。
歩幅はより広く、歩調はよりリズミカルに。少しだけ靴に水がしみこんでいるのにそれが気にならないほど軽やかだ。
雨のだるさはどこへ行ったのか、体の中に頭から足元へ突き抜けるような心地のよさが満ち始めている。
空気がだんだん澄んでいく。雨に誘われて少しずつ潤って、そして雨が汚れをだんだん洗い流していく。すっきとしていて、しっとりしている。体に染み込んでいくような気持ちよさで街が満ちている。
耳元から聞こえるBGMはそんなわたしの足取りをさらに先へと進ませた。
ここは雑貨屋の多いあたり。開店から少し時間がたってすっかり落ち着いた様子の店たち。窓辺の棚に並べられた時計やフォトフレームがわたしの目を楽しませる。
同じ雑貨屋だからといっても、ひとつひとつが全然違う。統一された色合いの店もあれば、いろんな色がひしめき合ってる店もある。実用性が貫かれた品揃えの店もあれば、楽しさがあふれている店もある。シンプルで大人な店もあれば、にぎやかで遊び心満載の店もある。
通り過ぎるだけでもいろんな世界に連れて行ってくれる。だからわたしはこの街のウィンドウショッピングが好き。
こうやって散歩をしながらショーウィンドウを眺めて、時々見せの中で世界に迷い込む。十分に探検をしたら外へ出て次に迷い込む世界を探す。
このサイクルを繰り返してわたしは新しい世界を見つけていく。
ティーカップもキャンドルスタンドもリネンも小瓶もペンも。海沿いの小さなわたしの世界はこの街の小宇宙での発見で彩られていく。
雨に濡れたこの街の景色はいつもと違っていて、ショーウィンドウも屋根も壁も、軒先の花も普段よりも濃い色に見える。
晴れの日は淡い世界も深くて優しい色に満ちたどこか包まれるような世界に見える。
わたしはこの濡れた散歩道ですばらしい発見をしていた。
後ろからそっと抱きしめられるような深い色に塗り替えられた世界が雨の日にはやってくる。だるさをこらえて一歩を踏み出せば素敵な時間がやってくる。
今日は雨に歌っていよう。人が歩いてるから大きな声ではムリ。だから、わたしだけに聞こえる小さな声で。
ありがとうね、わたしの傘。赤くてかわいいあなたがいたからわたしはこんな素敵な時間に出会う事が出来た。
すっきりしたら来るかどうかも分からない不幸におびえるのも忘れたみたい。とりあえずは一歩近づこう。物語の始まりにはきちんと間に合うように。
ふとジャケットのポケットに振動を感じた。一定の間隔で揺れたり止まったり。これは携帯がメールの着信を知らせる合図。
わたしは携帯をあわてて取り出す。サブディスプレイには手紙のアイコン。誰だろう?
閉じた携帯を開こうとして視界の端に映る店に思わず目を遣った。
もうカフェが開いてる。しかも、お茶を楽しんでいる人が何人も。
メールのアイコンと一緒に表示されたサブディスプレイの時刻表示を見ると12時15分。
ウィンドウショッピングに夢中になってる間に時間が思ったより経っていた。
わたしはふと体の力を抜いた。
どうしてかは分からないけど、メールのアイコンになんだか希望を感じる。広告かもしれないし、友達の他愛も無いメールかもしれない。
だけど、このメールはそれよりもずっと嬉しいものだという気がしていた。
その予感を携帯と一緒にジャケットのポケットにしまいこんでわたしはカフェに入った。
大好きなフレーバーコーヒーと一緒に希望が本当か確かめる事にしよう。きっと嬉しい午後が待ってる。
店の人に案内されて窓側の席へつくと、雨が止んでて弱い光が道を照らし始めていた。
chapt.4
わたしは席まで案内してくれたウェイトレスにメニューに載ってるバニラフレーバーのコーヒーと入ってくる間にショーケースの中に見つけたバナナのタルトを注文した。
控えめなボブがかわいらしいウェイトレスは注文を繰り返すついでに一言、この店のタルトの自慢を沿える。
これはマニュアルなんかじゃない、この人自身の言葉みたい。きっとこの店が好きなんだろう。こういう店員がいるとカフェの一休みもきままなショッピングもぱっと新しい色が添えられたように鮮やかになる。
アスファルトの道も雨が上がると不思議と土のにおいがする。窓側の席で外を眺めながら店の中に入ってくるそよ風の匂いを嗅いでいるとなんだか落ち着く気持ちになる。
今、わたしのいる場所には好きなものが満ちている。
土のにおいのするささやかな風、港町の傘店のようなかわいらしい内装、濡れて色の濃いアスファルトを照らす潤った日差し、店の置くからそっと空間を包み込むコーヒーの香り、雫で濡れた店先の愛くるしいベンジャミンの鉢植え、ささやかだけど期待を誘う店員との会話。あとはコーヒーとタルトがくればすべて揃う。
こんなに落ち着く午後を迎えるのはきっとしばらくぶり。
どんなにリラックスしてても心配事とストレスは着いてくるけど、それも少しは受け入れてあげられそうなそんな時間がゆっくり進む。
しばらくぼんやりと外を通り過ぎる人を眺めていると、さっきのウェイトレスがコーヒーとタルトを持ってきた。
ウェイトレスは軽く会釈。軽やかに振り返って去っていく時に、カットモデルみたいにととったボブの髪がふわっと揺れる。少し、まねしてみようかな、とか思いながらわたしは彼女を見送る。
次のバイト代の使い道には悩む事が多そうね。雑貨屋だとか美容室だとか。
楽しい悩みを頭の中でかき混ぜながら、わたしはテーブルの上に目を向ける。
コーヒーからは甘いバニラの香りがする。タルトの表面はクリームがたっぷり。中で眠るバナナの香りもとっても甘い。甘い香りをかいでいると幸せになる。
甘い空気に包まれながらわたしはテーブルの上に置かれたカフェラテ用のシナモンパウダーに手を伸ばす。それをタルトに軽く降りかけてタルトの味にわたしの色を加える。
ただし、それはタルトの三分の一くらいにとどめる。こういうケーキにちょっとした色を添えるのは大好きな事だけど、まずはお店の人が作った味を知らないと。
コーヒーをまず一口飲む。カップを顔に近づけた瞬間、バニラの匂いで体から力が抜けるような心地よい感じがした。実際に飲んでみると甘い匂いとは対照的におとなしい苦味が広がる。このギャップがあるからわたしはフレーバーコーヒーが大好き。
次はフォークを走らせてタルトのシナモンがかかっていない部分をまず一口。こっちは匂いも味もとっても甘い。クリームのふんわりした甘みとバナナの静かな甘み。
シナモンを振りかけた部分もおいしい。クリームとシナモンの組み合わせはやっぱりわたしのお気に入り。
甘さでなんだかわたしの心は暑い場所に置かれたあめ細工の様に溶けていきそうなほど、気持ちが酔っている。
そしてそこに、カフェの中を漂うコーヒーの匂いが外から来る濡れた土の匂いと混ざり合って、わたしの胸の奥にタルトにかけたシナモンの様に大人びた気持ちのスパイスを振り掛ける。
ケーキを半分くらい食べ終わったところでわたしは携帯を取り出してテーブルの上に置く。
サブディスプレイには手紙のアイコン。さて、このメールは風船を空に飛ばすヘリウムの様にゆるやかな幸せで満たしたわたしの心をどこに連れて行くんだろう。
一度、口の中の甘さをリセットする為にこれまでみたいにコーヒーを香りを楽しむことなく一口飲むと折りたたまれた携帯を勢いよく開いた。
どうってないこと。日常にごくありふれたこと。だけど、今日みたいな日はどこかこんな些細な事に幸せを祈りたくなる。
画面を切り替えようとわたしはメールボックスのボタンを押した。
chapt.5
本当に些細な事。多分、こんな事、何ヶ月かしたら忘れてしまう。
だけど、わたしは携帯のボタンを押してメールボックスを切り替えて届いたばかりのメールが表示されるまでの本当に短い時間にここしばらくで一番と言いたくなるくらい沢山のことを考えた。
メールの内容が表示された瞬間、あたりの音が消えてわたしから見えるすべては携帯の画面だけになっていた。
たかがメール。それも、大学をサボって散歩してる最中に来た、別に人生を左右なんかしないであろうありふれたメール。
だけど、わたしはこの先しばらくの運勢を占うように息を止めて、一番望んでいる事を思い描きながら小さな画面に表示された言葉を見た。
あっ。もしかしたら今日、見逃したテレビの占いは一位だったりするのかも……。
わたしは送り主の名前とその下、「お疲れ~」という気の抜けた挨拶の書かれた件名に続いて書かれた本文にそんな事を思った。
一番欲しかったメールだ。
送り主は大学のゼミの男の子。本文は帰り道、たまたま聞いた週末の予定の返事。
予定が無いからわたしの誘った映画に行けるっていう内容。
わたしは馬鹿かもしれない。わたしがどんな気持ちでいたって向こうは知らないし、たかが映画に行くくらいで期待なんてするもんじゃない。
だけど、これでいい。ここから努力すればいいんだから。
今どきこんな臆病なのなんてかっこわるい。そんなの知ってる。だけど、いいんだと思うこれで。
あの映画のふたりもこうやって一歩を踏み出したんだろうし。
落ち着かない気持ちの行き場を探して携帯をテーブルにおいて、飲みかけのコーヒーと食べかけのタルトに目を向ける。
バニラとバナナの甘い匂い。なんだか、今のわたしの心を表現するならこんな匂い。
ギャップは楽しいけれど、フレーバーコーヒーに砂糖を入れるべきかもしれない。これからしばらくわたしにビターは余計な味。だから、ブラウンの角の丸いかわいい角砂糖をぽんっとコーヒーに落とす。
雨上がりの空気もなんだか甘い。控えめなピンクの色をした壁もケーキの様に甘い雰囲気。
今のところはこれが恋の始まりだと信じてしまおう。冷静になれば恥ずかしくなる考えだけど、こんな午後――ちょっと飽きそうな日常から隠れてすごす午後にはちょうどいい。
この間、バイト代を奮発して観に行った演劇にあったオーヴァチュアみたなもの。劇が始まるまでの心の準備。甘い味は恋が始まるまでの心の準備。
この店を出たら第一幕を始めて見ようか。
恥ずかしいかな? でも、どこかわたしらしい。恋する乙女を演じて見るのもいい。
似合わないかもしれない。だけど、体中が演じたくてうずうずしてる。
元気になったり弱虫になったり、これからひとりきでも忙しい思いをしないといけないんだ。
それだったら酔えるだけ酔ってしまおう。タルトのクリームとバナナ。コーヒーに落とした角砂糖。こんな気持ちを酔うのに本当に最適。
アスファルトの道は乾いたり湿ったりのまだら模様。
わたしの案内人になってくれた傘は閉じて一眠り。
ところどころに出来た水溜りには空と雲が映ってる。
ゆるやかな幸せは始まりを進むヒロインの歩みに変わる。
こんなこと人に話すには恥ずかしい。だけど、こんな気持ちは久しぶり。片思いだけど久しぶりの恋。
まぶしさから目を守る為に手をかざしながら空を見上げると、太陽が透き通る光をこちらに投げかける。雲の光沢にはっとした気持ちになる。
これから雑貨屋めぐりをまたしてみよう。もやもやした気持ちに一区切りして、前進を目指した自分にせん別を買う為に。
雨の深い色の優しさとスイーツのような味の心。ほめられたものじゃない朝の思いつきにわたしはしばらく感謝を忘れられなさそう。