真夜中になると開演する秘密の芝居

ぼくはそっと着替え終わると

着慣れた子供服を脱ぎ捨てる

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身を包むは古びたワンピース

なれない姿に　冷たい素足

ヘタクソなステップを

音を立てないように猫を見習いながらに

トントン踏むと　こうして世界は始まっていく

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今夜もようこそわたしのお城へ

知らないままの人の事を

少ない手がかりから作り出して

ぼくは静かにつづっていく

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静かには誰にも分からないように

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だけど　今日は勇気を出して

窓の外へと出かけていこう

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これまでで何度目かの夜の散歩

素足の代わりにビーズのサンダル

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聞きなれない鳥や虫の声

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ぼくが進むはわたしの冒険

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会えない人になりすまして

このワンピースはタイムカプセル

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積み木の城を出て行くと

草の城下町に迷い込む

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今日　こうして会う君には

ホントのことを話そうか

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騙す気なんてないわけだしね

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あの人に言えない文は

君に聞いてもらうことにしておこう