降り注ぐ道に不機嫌ひとつぶ
2020年06月26日 0:28
アスファルトを踊るしずくたち
長靴で踏むステップのみたい
傘をさすわたしの歩幅
大きなしずくはすこしいじわる
わたしのお気に入りを濡らしながら
冷たさを一枚一枚着せていく
日差しも虹も会えない日だけど
わたしはこの道を進んでいく
わたしの好きな朝の空気は
時計がいくら告げていたって
眠ったまま 目を覚まさない
あなたが起きるのはまだ先のこと
忙しなく静まり返るこの道を進んで
「つまんない」なんてふてくされたり
雨傘の踊りなんて気分じゃないわ
あれだって悲しい物語だもの
憂鬱に突き動かされて
素直になれずにここで唇を尖らせている
ふてくされた言葉を並べるのは
何のせいなのかわかっているの
単純なこと
このブラウスとスカートを着たいだけの気まぐれ
買ったばかりのレインコートを置いてきた後悔なのだわ
重たい裾をひるがえしたら
気分を変えて寒さが着せた不機嫌を脱ぎ捨てていこう