胸の奥の天体観測

2010年05月04日 3:07

川にきらきらしているのは

街灯とお月様のダンスかしら?

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望遠鏡を覗く事に飽きたから

わたしは欄干に伏した姿勢で

水面の光を追いかけている

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今日のところは いてもたってもいられない

お部屋の窓から見上げてみたり

鍵付きノートに話してみたり

そんな気分にはなれなかったの

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お誕生日に買ってもらった

小さな望遠鏡を担いで来たのは

小さな川の小さな端

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夜空にちらばるキャンディのような

かわいく輝く星をみつめて

ため息ついたり 息を潜めたり

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きっとこれは何かの予感に違いないわ

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何の予感か

それを口にするのはくすぐったい

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積み重ねた年のかずからしてみれば

わたしにはちょっと遅すぎる初めてのこと

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今まで経験なんてないんだけど

それでもやってきたならば

気付ける気がきっとするの

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誰かに見つけてもらうために

誰かを見つけてあげるために

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こうして いてもたってもいられない

そんな気分を暗い夜空にばら撒くわ

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なんとなく そこで思い出すことは

これがママの記憶の追体験

その誰かさんがパパに似てるということなの

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