春空雪解け踏み出す時間
2014年04月17日 22:57
雪解けの道 ちいさな足でひとつひとつ
まだ慣れないこの道を
わたしは息を弾ませ歩いて行く
慣れない寒さ 慣れない靴で
初めてだらけの日々の中
一歩一歩 歩いて行く
道端のふきのとうは
幼く 小さく 愛らしい
大きな手で撫でられながら
しわがれた声が私を微笑む
「お前のようだな」
そう言われてわたしは頬をふくらませる
見上げた空には雲間のおひさま
駅舎で待った通り雨のお帰りのあと
春の訪れ 寝ぼけた冬
思いや時間をしずかにそっと
やさしくふわりと
この道は 見つめてきたのね
今日からはわたしも仲間入り
小さな桶 小さな丘
まるでわたしにぴったりみたい
一緒に過ごしたかった思い出に
これからわたしは会いに行く
会いたかった でも 遠く
だから せめてわたしがこれから
この道を この空を この時間を
大きくなっていく これからを
伝えに行くね 一歩一歩
しわがれた声に促されて
わたしは遅れて駆け出した