届かないフレイバーと包み込む香り

2009年02月09日 1:10

階下のテラスにあなたの歌声

淹れ方を覚えたばかりの

フレイバーティを待ちわびながら

わたしは温室の外を眺めている

​​

冬だというのに 花の香り

それはここが作り物の春と夏

そのせいでここにある 季節の倒錯

​​

フレイバーが花の香りでかき消されてく

まるであなたの想いの歌が

わたしの想いをかき消すように

​​

あなたは遠く どこかを見てる

わたしのフレイバーは結局のところ

その遠い景色に無意味にされる

​​

できることなら このバランスを

少しだけ崩してしまいたい

あなたの目がこちらに向いてくれるように

​​

吹き抜けの下で揺れるスカート

できれば涙をここから落として

どこまで行っても 離れないように

わたしの 心を染み込ませてみたい

​​

結局わたしは 近い位置から

あなたの事を 空っぽの笑顔で眺めるだけ

​​

触れることをかなえることができたらなら

その為だったらなんだってできるのに

​​

きっかけさえあれば

不幸であなたをその歌から切り離して

わたしが全てを掠め取りたい

​​

だけど それはわたしも辛い

だから 奇跡をここで待つの

吹き抜けの上ので花の香りに苦しみながら

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