太陽が昇るまではわたし

2010年02月28日 1:31

キャンドルを吹き消したらなら

明け方の道へと出かけてみよう

大人たちの早起きよりももっと早く

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わたしはこの時間だけの嘘を持って

ドアを避けて窓から出かける

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ひんやりとしみこむような

湿った空気を吸い込んだなら

着古されたワンピースのリボンを結ぶ

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慣れない服で出かけるからには

わたしはいつもの自分と違う

ヨソユキとも違うのであれば

それは不思議と誰でもないかもしれない

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わたしはわたしじゃないけれど

彼女はきっと今はわたし

虫食いのある日記帳を頼りにしながら

わたしは彼女を描いていく

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息を弾ませ

昼間と違う歩き方で

昼間と違う話し方で

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太陽が昇ればわたしの呼び名は違っているから

この短い時間 それだけがチャンスだから

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嘘で作られたごっこ遊び

だけど 不思議とこちらがホントに変わる

わたしの気持ちがだんだん大きく

あの短い挨拶と会話を求めていくの

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こんなナカヨシは明るくなればありえないから

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嘘なのに気持ちはホンモノ

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今日 もっと仲良く慣れたなら

あの曲がり角までの道で

手を繋ぐ事が許されるといいな

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わたしを邪魔するのは

もう時間と偶然だけだから

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