大人になる為のお色直し
2008年12月19日 1:09
僕はここで静けさに 居辛さを感じている
どこかにまだぬくもりが漂っている
だけど カーテンを揺らす風がこれを取り去るのも
時間の問題だってことは 分かりきってる
冷たいフローリングを 艶やかに照らす日の光
不思議とやわらかな土の気配の温かさは感じない
鏡に映る僕は
君がここに来る前とも 君がここを去る前とも
どんな僕とも違っているに違いない
こうして 四季が巡るように
空でけたたましく鳴く鳥が
住む場所を変えながら生きるように
次の君との時間が来る頃には
君の知らない僕になってる
鏡の僕に手を触れて 子供だった余韻を名残惜しく
この髪が伸びる頃には この服を着なくなる頃には
君はきっと僕の事を あの頃と違う触れ方で
あの頃にはない 結び方で 温度を重ねるんだと思う
もう この服を脱がないと
友達の仕立てたあの服を着る為に
このがらんどうの部屋の残り香にすがるのもやめにしないと
ここにはもうラストノートですら残ったりはしていない
あの駅のホームで君は
きっと僕を誰だか気づかずに
しばらくは他に誰もいないのに
戸惑いながら それでも時々 僕をみながら 探すはず
だから 手紙で知らせるつもりでいる
手にいっぱいの ガラス小屋の花が似合う
そんな 僕になっていないと