ぼくでいられる服

2008年05月12日 0:54

風がほどくのは菜の花色のリボン

はちみつ色のパジャマのボタンが外れていく

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ベッドをもう出る時間 眠ってばかりはいられない

だけど もう少しだけこうしてたい

できることなら 長い間

目を覚ますのは少し怖い 部屋から出るのは待っててほしい

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だけど パジャマを脱ぎ捨てて リボンをはずして行かなくちゃ

部屋から出たら ぼくはぼく?

ホントのホントに ぼくはぼく?

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なんだか ぼくではいられない そんな気がして足がすくむ

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外で着る服はぼくの体に 合うのかどうか

なんだか 着られる自身がないの

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できればあの子が着替えてた あっちの服に着替えたい

あの子と服を取り替えて 予定のぼくと違うぼくに

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だけど 時間はやってくる 時計の音がぼくをせかす

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あの服があればぼくはぼくに

ぼくのなりたいぼくになれる

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できないのなら このままがいい

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菜の花色のリボンと はちみつ色のパジャマのままで

今のぼくに しがみついて 何にもないぼくのままに

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金のりっぱなボタンより かわいいガラスのボタンをください

予定のぼくより 夢で見た ぼくのはずのぼくになれたら

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