ひとさし指とくちびるの夜更かし

2008年05月06日 23:46

眠れない夜 そんな夜には結婚式

小さな花嫁は 右手のひとさし指

小さな花婿は 左手のひとさし指

出窓の宝石箱から取り出したふたりを

わたしはそっと手へと連れ出す

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教会のベルのかわりに大好きな音楽をひとつ

甘い夕方にきまぐれで食べ始めるデザートのような曲

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目の前で両方のひとさし指を

近づけたり 遠ざけたり また近づけたり

あと少しなのにいつもお預けのキス

そんな じれったりふたりの深夜のデート

それを積み重ねて砂糖菓子のような結婚式

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ひざに置いた宝石箱をテーブルに置いて

レトロな赤いソファから立ち上がる

指人形のカップルだけに目の焦点を合わせて

小さな部屋の中をくるくるまわる

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ふたりだけの素敵な時間

じれったい思いの重なり合い

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そろそろかな?

そろそろよね?

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さぁ キスをしましょう

赤いジェリービーンズのような気持ちを伝え合うために

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胸の奥がぞわぞわと落ち着かない

だけど 今日は祝福させて

これは明日のわたしの練習だから

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さぁ お祝いしましょう 乾杯しましょう

これからも続くあなたたちの愛に

両方のひとさし指をそっと近づけて指先の恋人たちはキュートにキス

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今日のキスはどんな味?

想像ばっかりじゃつまらないよね

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さてと 明日はわたしの番ね

甘いといいな どんな味かはわたしの想像以上の世界だけど

あーあ 今日は一睡もできないかもね

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