この部屋からの創作は悲劇の向こうの為に

2008年07月29日 23:59

この窓から外を眺めて わたしはあなたを見守る

あなたが夢見るのは 願いが叶った幸せな未来

だけど わたしは知ってる

確実にやってくる未来は あなたをボロボロにする

​​

その日が来るなら雨がいい それも激しい夕立

そうすればあなたはきっと ここにやってくるから

どこまでが涙で どこまでが体を打つ雫か

まったく分からないその出で立ちで

あなたは声をあげて泣いているから

​​

わたしがそれを楽しみにだなんて

誰にも教えたくはない 知られるわけにはいかない

だから すべてはこっそりと

透明なシナリオブックに記していく

​​

あなたがあの三角形にいる事に気づかずに

どんどんどんどん 痛みに向かっているって

それはわたしの発見と創作の終点だから

​​

このドアを開けた時 あなたはわたしに癒しを求める

だから わたしはできるかぎりの慰めを用意して

ボロボロのあなたを ここで待つ

​​

三角形から残る二つの点にはできるだけ

強く 硬く 揺るがないように結び好いて欲しい

​​

そうすればブランケットで夢見るあなたが

やがて 痛みも風化するほど傷ついてくれるから

​​

そうしたらやってくるのはわたしの出番

夕立に打たれて冷えて傷だらけのあなたを

わたしがこの胸で暖めてあげる

やわらかく からだから力を奪うように

下ごしらえを重ねた優しさで包み込むの

​​

そうして あなたに愛を植えるの

大嵐でボロボロの大地に降り注ぐ

このからだの木漏れ日と一緒に

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