あいさつを待つカウンター

2008年07月23日 23:47

カフェのはしっこ

ここからなら この店のどこだって見える

僕はここでアイスティを飲みながら

反対側からの日差しを見てる

​​

窓から差し込む日差しの向こうは

グリルの日差しに焼かれる通り

街中で見つけた真夏のオアシスで

何にもない正午を持て余してる

​​

あんまり早く飲みすぎると

必要以上に時間が手持ち無沙汰に

ゆっくり飲みながら

これ以上にのどを急がせないように

角砂糖をもてあそぶインターバル

​​

本当のところ ぼくは当てのない楽しみを

ここで待っている途中

運がよければ 今日もその楽しみがやってくるかも

​​

店のドアが開くたびに 胸が落ち着かない気分

入ってくる人の顔を見ると たいていはがっかりするけど

​​

ドアのベルがなると 意識もしないで目が動く

店の奥のカウンター席からテーブル席の人越しに

まだ見慣れてないけど 記憶にある顔

​​

テーブル席を通り越して

ウェイターに一声かけてこちらのほうへ

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――こんにちは。

​​

――暑いですね。

​​

顔見知りのあいさつ たったそれだけ

だけど 僕はあなたにあいさつするのが

一週間の一番なんです

​​

今日はもう少し声をかけてみようかな

―アイスティにはピーチのシロップ―

そんな些細な共通点だけ 手がかりにして

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